ヤマアジサイ
写真4 サンゴの種苗
写真1 梅
写真3 親サンゴ
写真2 寒緋桜
写真3 雨上がりの長崎港
写真4 スイセンと軍艦島
写真1 ロウバイ
写真2 ウメ(紅梅)
写真5 タイトル:釣り日和
写真3 アリドオシ(一両)
写真4 カラタチバナ(百両)
写真2 マンリョウ(万両)
写真1 センリョウ(千両)

●長崎支所長だより「長崎支所長:志岐」
2012.9月版
○人工魚礁周辺における魚類の繁殖と日常行動について

自然界における魚類の繁殖行動等を観察することは非常に難しいことです。まして、沖合の、水深が深く人工魚礁が設置されている海域で、その行動を確認し映像に納めることは至難の業です。
その映像を撮影するためには、偶然、その場面に出くわすことしかありませんが、新しい発見は、調査を行っている調査員の「何だろう?」という「好奇心」が非常に大切になってきます。
(社)水産土木建設技術センターでは、水中ロボットカメラ(ROV)で毎年、人工魚礁に集まった魚の状況を多数観察していますが、最近、魚礁メーカーからの調査委託により、ROVで人工魚礁周辺における魚類の繁殖と日常行動の珍しい映像を撮影しましたのでご紹介します。

(映像1)オオスジハタの追尾行動

・ 日時:平成23年6月8日11時〜12時30分
・ 場所:長崎県壱岐市郷ノ浦大島西沖
・ 魚礁種類:ピラミッド型魚礁P200AV、高さ10.8m























・状況:水深約97mに設置された10.8m型の魚礁の蝟集状況をROVで確認中、魚礁周辺で大型のオオスジハタの雄雌がペアで寄り添い、追尾し、一方は縦縞が顕著で婚姻色に変わっており、産卵が近い繁殖行動であることが確認されました。しばらく雄雌は寄り添っていましたが産卵することなく離れていきました。


(映像2)オオスジハタの糞の放出
・ 日時:平成24年8月25日14時50分〜15時30分
・ 場所:長崎県壱岐市郷ノ浦町大島西沖
・ 魚礁種類:ハイブリッド魚礁P1300A型、高さ20m



























・状況:水深約97mに設置された20m型ハイブリッド魚礁の蝟集状況をROVで確認中、ヒラマサ、マアジの群に混じって大型のオオスジハタが数尾魚礁の上部(水深79m付近)に固まって蝟集していましたが、その内の1尾が白い液を比較的大量に放出しましたので、産卵かと思い、映像を独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所と長崎県総合水産試験場に確認してもらったところ、婚姻色がなく、追尾行動も見られないことから「糞」との結論になりました。


魚類は天然魚礁と同様、造成された人工魚礁を「生活の場」として繁殖行動をしたり、糞をしたりして生活しており、今回の調査により人工魚礁での魚類の日常生活の一場面を観察、映像撮影ができました。
今後とも、調査の中では「何だろう?」という好奇心を持って当たり、自然現象の一瞬を見逃すことなく、新しい発見につなげていきたいと考えています。



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 2011.6月版
○「 魚礁の潮上に魚が付きやすい 」は本当か

漁業者の間で「魚礁の潮上にはイサキや浮き魚が付きやすい。」とよく言われています。 6月8日、長崎県が造成した壱岐西地区マウンド礁において、センター長崎支所が独自に行った調査で、漁業者が言っている「現象」を観察することができましたので、お知らせします。 調査は長崎支所の松尾課長ほか2名で調査に当たりました。 6月8日は旧暦5月7日、月齢6.2小潮で、時刻は13時から14時、マウンド礁の設置軸は北西から南東、調査海域の表層の潮流はマウンド礁を横切る南西から北東への流れで、漁船のアンカーを打つ前に魚群探知機をかけながら、潮流と同じ方向の南西から北東に移動し、マウンド礁を横断して観察したところ、潮上側(マウンドの南西側)に大きな魚群反応を確認し(写真1)、ROV(水中ロボットカメラ)を入れてみると、2kg前後のメダイが多数蝟集しているのが観察されました。 漁業者が魚礁で操業する時には、潮流、風向、魚礁の配置等を考慮し、漁船を移動して、魚礁に漁具がかからないよう、魚群のところに漁具を投入するためには、魚が魚礁のどこに集まっているかを確認することが重要なポイントとなります。

どうして魚礁の潮上に魚が集まりやすいのか。

センター長崎支所の桑本課長は「3次元流動再現シミュレーション」を開発して、魚礁設置による流れの変化について研究を行っていますが、彼の見解によると「@魚礁に当たって発生する流速ベクトルの上昇成分は、魚礁の直前に最大となり、これによる底層の餌料成分等が巻き上げられることと、A魚にとって上昇流が体位を安定させるために役に立っている。」ではないかと言っています。 いずれにしても、事前のシュミュレーションと現場の状況がどのように異なっているか等、多数のデータを収集し、それを検証しながら、今後の漁場造成の計画・立案に役立てていくことが必要であると考えます。


















写真1 調査時の魚探画像














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 2010.6月版
○長崎西人工海底山脈(湧昇マウンド礁)で、湧昇流と思われる流れが発生した直後の映像を撮影

2009年10月15日、長崎県からの委託事業により長崎西人工海底山脈(湧昇マウンド礁)における魚の蝟集状況を把握するため、ROV(水中ロボットカメラ)による調査を実施中、湧昇流と思われる流れが発生した直後の映像を撮影することができましたのでご紹介します。

長崎西人工海底山脈は県営事業としては対馬東、宇久北、五島西に続く4基目の人工海底山脈で2009年3月に完成しました。長崎市西方約13Km沖合の水深約76mの海底に幅75m、長さ150m、高さ15mのマウンドを石材により造成したものです。 10月15日、午後1時に現場海域に到着し、魚探により湧昇マウンド礁の位置を確認しながら

アンカーを打ち、船を固定して午後1時40分からROVによる観察を開始しました。当日の潮汐は旧暦8月27日中潮で、午前11時52分(長崎港)が干潮となっています。
ROVを沈めていくと海中は比較的透明度がよくマウンドが広範囲に見渡すことができ、まず、1Kg程度のカンパチ約70尾の群れがカメラの前を横切り、次に、湧昇マウンド礁の上部には500g〜1Kg程度のマダイが約500尾蝟集しており、マダイとカンパチの良い漁場となっていることが確認されました。
さらに、底辺部の確認のためROVを進めると極端に視界が悪くなり、底層のデトリタス等によると思われる濁りの層と湧昇マウンド礁の中層より上部の透明度が良い層との間に成層ができていることが分かりました。
しばらく観察を続けていると午後2時過ぎに潮の流れが変わり、底層の潮流が湧昇マウンド礁に対し垂直に北から南に向かって動き出し、濁りの層がマウンドの斜面に沿って上昇して頂上付近で渦を発生し、上層水との間にはっきりとした境目を形成しながら南下する流れを確認し撮影しました。蝟集していたマダイは境目より上部に移動していました。
湧昇マウンド礁に当たって上昇した流れは、マウンドの頂上から若干上昇しながら南下しましたが、その後、更に上昇したかどうかの確認はできませんでした。
湧昇マウンド礁の基本的機能は「マウンドによる湧昇流により、底層の栄養塩を含んだ海水を真光層に湧昇させ、プランクトンの増殖を促す機能」があり、マウンド礁造成後の湧昇流の発生状況は、海水の密度分布などの変化を調査することにより把握しておりますが、これまで映像で確認した例はありません。
今回の映像は底層と中層との間に成層が生じていたこと、調査中に潮の流れが変わり濁った底層水が上昇流となったこと等、たまたま撮影のための条件が良く湧昇流と思われる流れが発生した直後の現象を可視的に捉えることができたものと考えています。




ROV撮影映像






































●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2014.4月版

いつも一般社団法人 水産土木建設技術センター長崎支所のホームページをご覧いただきまして、ありがとうございます。支所長の荒川敏久です。
平成26年度を迎えるに当たり、ご挨拶を申し上げます。
当支所は、国や地方自治体、そして漁業に関係する皆様方が行われる水産基盤の整備や海域環境の保全・創造等をお手伝いし、そのことを通じて水産業の発展と漁村の振興に努めることを目的に活動しております。
昨年度は、水産基盤整備事業に係る設計・積算及び施工管理、並びに人工魚礁の効果把握に係る調査等の業務を受託して実施する他、自主事業として魚礁効果診断システムの改良、サイドスキャンソナーによる浅海域増殖場の状況把握のための手法開発などに取り組みました。また、技術情報資料を配布したり、モロッコ王国の国立漁業研究所から漁場の造成や効果把握に関する研修生を受け入れるなど、国内外への情報発信にも努めました。このように、皆様方のお陰をもちまして、例年を上回る事業に取り組むことが出来ました。改めまして、お礼を申し上げます。
しかしながら、水産資源水準の低迷や魚価安、海洋環境の変化や燃油・漁業資材の高騰等の状況は続いており、水産業を取り巻く環境の厳しさは変わっておりません。
この状況を改善するためには、水産資源が増える環境、回遊魚が長期間滞留する環境を整備する必要があると考えます。また、漁業者が安全に生活し、就労するための漁港施設等については、機能の維持を図るとともに、新たな機能の追加が必要なものも多いと考えます。
国や都道府県、市町村、また漁業協同組合等の皆様方は、これらの課題を解決するための施策を様々
に講じ、本年度も事業の実施を計画しておられます。
私ども、一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所は、国や都道府県、市町村等と漁業者や
実際に事業を実施する皆様との間に立って、施策や事業がこれまで以上の成果を上げ、漁業者の皆様に
その成果を実感していただけるよう、全力を傾注して参りたいと考えております。
当支所には、漁港・漁場の積算や施工管理、並びに海域の調査に精通した職員が多数おり、日々技術
の研鑽に励んでいます。また、ご紹介いたしました事業以外についても、皆様方のお役に立てる仕事を
してまいりたいと考えております。どうか、漁港・漁場の整備や海域環境等でお困りのこと、ご相談さ
れたいこと等がございましたら、お気軽にご連絡ください。皆様のお役に立てるよう、本年度も所員一
同、頑張って参ります。

平成26年4月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久


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●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2013.6月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧いただいている皆様、始めまして。この5月に支所長に就任しました荒川敏久です。
当支所は、国や地方自治体、そして漁業に関係する皆様が行われる水産基盤の整備や海域環境の保全・創造等をお手伝いし、そのことを通じて水産業の発展と漁村の振興に努めることを目的に活動しております。なお、本年4月に名称が「社団法人」から「一般社団法人」に代わりましたが、目的や事業の内容、そして働く姿勢は従来と変わっておりません。
現在、水産業は資源水準の低迷や魚価安、海洋環境の変化や燃油・漁業資材の高騰等の厳しい状況に直面しています。このため、漁業収益の減少によって漁家経営は悪化しており、また、長い年月にわたって漁村と水産業を守ってきた漁港施設等は、その高齢化により機能を維持することが困難になっているものもあります。さらに、地球環境の変化や漁業就労者の高齢化等により、機能を追加しなければその活用が困難になっている施設等も見受けられます。
しかし、これらを嘆いているばかりでは、水産業と漁村の活性化を図ることはできません。国や都道府県、市町村、また漁業協同組合等の皆様は、これらの課題を解決するための施策を様々に講じ、事業を実施しておられます。
私ども、一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所は、国や都道府県、市町村等と漁業者や実際に事業を実施する皆様との間に立って、施策や事業がこれまで以上の成果を上げ、漁業者の皆様にその成果を実感していただけるよう、全力を傾注して参りたいと考えております。
当支所には、漁港・漁場の積算や調査の専門家、また、施工管理に精通した職員が多数おります。どうか、このホームページをご覧になっている皆様、漁港・漁場・海域環境等でお困りのこと、ご相談されたいこと等がございましたら、お気軽にご連絡ください。皆様のお役に立てるよう頑張って参ります。

平成25年6月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久


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●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2014.5月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆様、何時もありがとうございます。
若葉が映える5月になりました。陸上では桜の季節が過ぎ、アヤメ(写真)やバラが咲き誇ろうとしています。一方、私どもの職場である海に目を移しますと、ワカメの季節は過ぎ、早春に卵から孵化した魚たちは仔魚から稚魚へと
成長し、沿岸の住み場に定着しようとしています。
魚が増えるには卵を産む親魚がいること、孵化した仔魚が稚魚や幼魚に育つための
環境が整っていることが重要です。当支所では魚の成育や水産資源の維持・増大に必要
な環境を整えることについて、大きな関心をもちながら仕事を進めております。
本年度も、水産基盤整備事業に係る設計・積算や施工管理、また、漁場の調査等の
業務について、関係する皆様からお声掛けをいただいており、精一杯務めてまいりたい
と考えております。

先日、4月20日に、諫早市の地域おこしイベント「ISAHAYAグルメフェスティバル」
に出向きました。ここでは、諫早市内の飲食店29店舗がグランプリ目指してバトルを
繰り広げておりましたが、私は水産関係の「すっぽんコラーゲンラーメン」と「うなタ
ルサンド(ウナギ)」を頂戴しました。あまり知られていませんが、長崎県は全国有数
の養殖スッポン産地で、諫早市内には大きな養殖場もあります。また、長崎人にとってウナギと言えば諫早の名前が一番に出るほど、ウナギは諫早の名物です。二つとも高価なイメージがありますが、それぞれラーメンにしたり、サンドイッチにしたりと、私にも手が出せる価格での提供でした。味も二重丸でした。養殖や漁獲だけではなく、生産した魚を消費者へ商品として届ける心遣いまでが水産業の振興に必要なことを再確認できた一日でした。
その後、諫早市高来町と雲仙市吾妻町を結ぶ雲仙多良シーライン(諫早湾干拓堤防道路)を回って長崎に戻りましたが、シーラインの中ほどにあるポンプ排水場でアオサギとコサギの食事風景に出会いました(写真)。2羽は調整池から海に向ってポンプ排水されている流れをジッと見つめ、流れてくる魚を狙っていました。5分ほどでアオサギは見事餌をキャッチ。調整池にも魚が育っており、効率の良い餌場になっている様でした。

当然、海でも初夏には多くの魚が大きく成長します。魚が成長するための漁場環境の整備に向け、支所職員一同、今後とも研鑽を積んでまいりますので、お役に立てることがございましたら、お声掛け下さいますよう、お願いいたします。

平成26年5月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久








 

 

 

 

 


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●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2014.6月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆様何時もありがとうございます。
6月になり長崎も梅雨に入りました。長崎市の花、アジサイの季節ですが、海では大型のホンダワラ類の多くが流れ藻となり、海岸の景色が寂しくなってきました。

先日、5月29、30日に、海藻の繁茂状況を確認するために小値賀町に出張しました。小値賀漁港の対岸は、昔は大量の海藻が海面まで伸び、それを分けなければ船を漕ぐ ことが出来なかったとのことですが、今では小型海藻だけが認められる状況になっていました。
その様なことから、アワビやサザエは少なくなってしまったとのことでしたが、今でも地元の漁業者は干潮時にウニ漁を行っており、中には2,3時間で篭一杯を採捕する方もおられました。藻場の状況と海の生産力には深い繋がりがあることを肌で感じました。















翌日は、早朝から宇久小値賀漁協さんにお邪魔し、魚の水揚げを見せていただきました。伊藤組合長さんからは「水温が低くイサキの水揚げが遅れているが、漁には悪い時も良い時もある。悲観せずに頑張らなければ。」とのお話を伺いました。
小値賀町のイサキは値賀咲(ちかさき)と言われるブランド魚で、県外でも有名です。この日は100箱程度の水揚げでしたが、丸々と太り、如何にも脂が乗っている様子でした。前夜も民宿で刺身と煮付けをいただいたのですが、帰宅後にもイサキを買いに魚屋に出かけました。我が家では皮付きの刺身と吸い物に調理しましたが、非常に美味しかったです。
また、漁協にはキジハタやアカハタ、またマダイやレンコダイ、アマダイなども水揚げされていました。全てピカピカと輝いており、魚の素晴らしさを再確認させていただきました。























海藻はウニやアワビなどの餌になるだけではなく、藻場は魚介類の生育場としても重要です。 海藻が無くなる磯焼けには色々な原因があると言われていますが、そのベースには海水温の上昇があるとされています。海水温の上昇は地球温暖化というグローバルな環境変化の一つとして捉えることができますが、そのメカニズムについては、まだまだ知られていないことが多くあります。

そこで、私どもセンターでは6月17日の総会終了後に、茨城大学工学部の横木裕宗教授をお招きし、「地球温暖化がわが国の沿岸環境に及ぼす影響」について、ご講演をいただくこととしました。東京での開催となりますが、関係する皆様方のご聴講をお待ちしております。

























































平成26年6月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久



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●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2014.7月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆様何時もありがとうございます。
7月になりましたが、長崎ではまだ暫く雨が続きそうです。アジサイは花色が変わり、ジャガランタやネムノキの花(写真)もそろそろ終わりを告げようとしています。これからは、目に映る自然の主役が花から昆虫に代わり、子供たちがバッタやトンボに歓声を上げる季節になると感じています。





















ところで、6月の末に私が住んでいる長崎半島の同じ場所でシオカラトンボとアカトンボ(写真)を見つけました。また、同じ日に違う場所でハグロトンボ(写真)も見つけました。長崎にはまだまだ自然が残っています。


















さて、今年は数年ぶりでエルニーニョ現象が起こる可能性が高いとのことで、夏以降いつもとは違う天候になりそうです。私どもも現場での仕事が多いので、例年以上に注意を払っていきたいと考えます。
エルニーニョ現象は本来、南米太平洋側沿岸の海面水温の変化を説明した言葉です。これが太平洋全域の気象・海象に大きな影響を与えることが知られていますが、水産生物に及ぼす影響については、詳しくは解っていないようです。わが国沿岸に良い影響が及び、大漁・豊作になることを祈っております。

気象や海象の変化につきましては、6月17日の幣センター総会後に開催しました講演会、「地球温暖化がわが国の沿岸域におよぼす影響(講師:茨城大学工学部 横木裕宗教授)」でもご説明がありました。地球温暖化が進むと海面上昇、海水温上昇、台風・高潮、高波浪、降水量等に影響が及ぶとのことでした。何センチ、何℃、何ヘクトパスカルと言った定数的な予測は難しいのでしょうが、国や県・市町村等の方々が対応策を講じられるとき、それに対応できる様、アンテナを張り巡らせておきたいと考えています。

先ほどの写真は全て停まっているトンボでしたが、軽やかに空を飛んでいるトンボを「極楽とんぼ」と言うことがあるそうです。現状に悲観していては物事が進みませんが、水産業と一体となって働く私どもが、俗語で言う「極楽とんぼ」のように、楽観して呑気に過ごして良い状況に無いのは皆様ご存知のとおりです。
幣支所では、今後とも水産業の振興と漁村社会の活性化について、現状を観察し、対応策を考えながら仕事をしてまいりますので、水産基盤整備事業に係る設計・積算や施工管理、また、漁場の調査等の業務等について、何かお役に立つことがございましたら、お声掛け下さいますよう、お願いいたします。

平成26年7月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久



























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●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2014.8月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆様、何時もありがとうございます。
8月になりました。今年はエルニーニョのため冷夏と思っていましたが、猛暑です。咲く花が限られていますので、趣味でやっている写真も何を撮ろうかと悩むことが多くなりました。今回は、長崎半島の先端にある長崎県亜熱帯植物園で見かけた月桃(ゲットウ)と浜木綿(ハマユウ)をアップさせていただきました。












月桃は沖縄のイメージです。当地ではムーチー(餅)を包む葉として利用されているとのことです。月桃について教えて下さいました植物園のボランティアガイド様、ありがとうございました。 浜木綿も九州など南国のイメージがする花で、宮崎県では県の花になっているそうです。両方とも夏の花です。季節を感じていただければ幸いです。

さて、私どもセンターでは、7月11日に神戸で3拠点(東京本部、松江支所、長崎支所)合同の研修会を実施しました。研修会では各拠点から事例発表を行い、その後、労務管理などの講習を受けました。 長崎支所からは漁港漁場部の薩摩課長が「五島西方沖地区漁港漁場整備事業」について報告をいたしました。本人が担当している事業で、普段、事務所や現場で行っていることについての発表でしたが、準備には時間が掛かった様です。薩摩課長のを始め、全ての発表が良く纏められた内容の濃いものでした。質問も活発にあり、成果の上がる研修会となりました。発表の内容についてお聞きになりたい方は、長崎支所までご連絡下さい。

最後に、研修会に参加した支所職員の集合写真をアップします。前列中央に居るのが私ですが、皆様、何人の顔をご存知でしょうか?また、この研修会には留守番などのため4名が不参加となりましたが、誰々だかお分かりになりますでしょうか?
事務所で、また、現場で皆様方とお会いし、水産業の現状や水産基盤整備事業の課題などについて話し合いをさせていただくことも、私どもの重要な仕事です。
私どもを見かけましたらお声がけ下さい。また、近くにお越しになる機会がありましたら、長崎県大波止ビル2階の事務所にお立ち寄り下さい。水産業の振興と漁村社会の活性化等について、情報交換させていただきたいと考えております。

平成26年8月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久



























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●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2014.9月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆様、何時もありがとうございます。
9月に入り、多くの学校では新学期が始まりました。皆さま、今年の夏はいかがだったでしょうか。長崎支所では、前線の通過などにより、現地調査の日程変更を余儀なくされたことが何度かありました。
Yahoo!天気・災害で私どもの支所がある長崎県南部の天気を調べますと、今年の8月は晴れマークの日が15しかありません。昨年、一昨年共に晴れマークは25個でしたので、このことからも今年の夏の天候不順が窺えます。
天候不順に加えて夏の暑さにも負け、カメラを持って出かけることが少なかったのですが、今回は、芙蓉(フヨウ 写真左)と木槿(ムクゲ 写真右)を紹介させていただきます。












芙蓉(フヨウ)の原産地は中国、日本とされており、わが国では古く平安の時代から愛されてきました。この写真の花は白の一重ですが、端の方が少しピンクになっているのが分かりますでしょうか。フヨウの内、開花した早朝は純白、午後には淡いピンクとなり、夕方から夜に赤に変化するものを酔芙蓉(スイフヨウ)と呼びます。お酒を飲む人の顔色の変化に似ているので、この呼び名が付いたといわれています。
私も飲む機会が多いのですが、お酒に弱い体質で、真っ赤な顔でよく街角を彷徨っています。私の場合は鬼瓦のような形相ですが、富士山の姿にも例えられるフヨウの気品を見習って、上品な酔い方を気がけなければと反省しきりです。
一方、木槿(ムクゲ)は大韓民国の国花です。日本には、朝鮮半島経由でずいぶん古い時代に渡来したといわれています。この写真の花は白の一重で中心部がわずかに赤く染まっていますので、16〜17世紀に活躍した茶人の千宗旦居士が好んだ品種のようです。また、白地に赤ですので日の丸ムクゲともいわれているようです。
ぱっと見た目には違いますが、両方ともアオイ科フヨウ属の植物で、よく見ると似通っています。

平安時代からわが国で愛され続けている芙蓉(フヨウ)と韓国国花の木槿(ムクゲ)を紹介させていただいたところで、日韓交流についての話題です。
私どもセンターと非常に関係が深い、公益社団法人 全国漁場漁港協会が7月23日に開催した、第17回日韓漁港漁場漁村技術交流会議に参加してまいりました。この交流会議は、平成10年から日本と韓国で交互に開催されているもので、漁港漁場漁村の整備などについて両国が発表し、意見交換がなされています。当日は韓国から、「漁港施設の整備方案−国家漁港を中心として−」および「干潟産業情報伝達体系の高度化による生産性増大方案」の発表があり、わが国からは「漁港施設等の老朽化対策(長寿命化)」および「水産多面的機能発揮−漁業者が行う水産業・漁村の多面的機能の発揮に資する取組−」の発表が行われました。
なお、わが国の発表のうち「水産多面的機能発揮」については、当センター東京本部の石岡昇主任研究員が行っております。
日韓両国は共に世界有数の漁業国であるばかりではなく、一衣帯水の深い関係にあります。特に、水産資源の維持培養や海洋環境などについては、両国が協力して事に当たる必要があると考えております。
本交流会の詳細については主催者である全国漁港漁場協会におたずねいただく必要がありますが、石岡主任研究員の発表内容についてお知りになりたい方がいらっしゃいましたら、長崎支所までお問い合わせ下さい。内容をお伝えいたします。
私ども長崎支所の職員が皆さま方とお会いするのは、多くの場合、現場や事務所内に限られていますが、私どもは今回紹介させていただきましたような会議にも出席しております。また、このような会議に出席し、お話させていただくことも、私どもの重要な仕事の1つと考えております。
漁港施設の施工監理や漁場の利用状況などについて、講習会や研修会の話題提供者としてご用がございましたら、遠慮なくお声掛け下さい。他業務等との調整はございますが、できる限り対応させていただきたいと考えております。

平成26年9月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久



























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●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2014.10月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆さま、何時もありがとうございます。
10月になり、朝晩は涼しくなりました。秋は仕事や勉強などに向いている、良い季節といわれています。今回は仕事や勉強の話ではありませんが、後半で皆様に嬉しいお知らせをさせていただきます。

昨月も引用しましたYahoo!天気・災害によりますと、長崎県南部の9月の最高気温が30℃を超えたのは、昨年が18日だったのに比べて今年は10日と少なかったとのことです。雨も少なく、絶好の撮影日和も続いたのですが、用事が種々重なり、趣味の撮影には1回しか行けませんでした。 今月は、その中から先ずは百日紅(サルスベリ)を紹介させていただきます。

















百日紅の原産地は中国ですが、江戸時代に貝原益軒が発刊した大和本草に紹介されているそうですので、古くから愛されていた花であることが分かります。今回はお目出度く白花と赤花を並べました。

次に、アゲハチョウの写真です。



















左がキク科の花(コシロノセンダングサ?)に止まったアゲハチョウ、右がランタナに止まったクロアゲハです。動きが早くてなかなか止まってくれないアゲハチョウに比べ、クロアゲハは一回り大きくて飛び方も比較的ゆっくりしていますので、撮影チャンスの多い蝶です。
ところで、この時にはランタナの花畑の前で半時間ほど粘っていたのですが、一つ気付いたことがありました。クロアゲハには縄張りがあるようなのです。一匹の蝶が数メートルの範囲内に咲いている花を飛び回って蜜を吸っていたのですが、他のクロアゲハが来ると素早く察知して追い払ってしまうのです。優雅に飛び回っている蝶にもそんな闘争心があるんだと、驚いた次第です。
また、クロアゲハがいる花の周囲でアゲハチョウを見たことがありません。両方ともミカンの仲間の葉っぱを食べて育つと聞いていますが、親になると近づくことが少ないようです。
と、ここまでがイントロで、次からがお伝えしたいことです。私ども長崎支所の井上雅博係長さんが9月27日に結婚式を挙げられました。
新郎は精悍で、新婦はチャーミングだったことを報告いたします。

先ほどクロアゲハではないですが、井上係長さんは幾多のライバルを
追い払って新婦を獲得されたことと思います。また、百日紅の花言葉は
愛嬌だそうです。新婦は写真のように可愛らしく寄り添って、二人で幸
せな家庭を築いてくれることでしょう。
井上係長さんは、すでにバリバリの技術屋ですが、結婚を契機にこれ
まで以上に素晴らしい仕事をしてくれるものと信じております。皆さま
方もお会いになられた時には激励の言葉をおかけ下さいますよう、お願
いいたします。

平成26年10月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 






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●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2014.11月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆さま、何時もありがとうございます。
10月末から通勤にジャケットを着用することが多くなりました。今年は天候不順といわれておりますが、この時期には凪の日が多いことから、弊支所では時化が多くなる時期までに現場調査を出来る限りこなそうと、職員一同、各地を飛び回っています。

長崎県では、ここ数年で最大のイベントである「がんばらんば国体」が10月に終了し、今月は「がんばらんば大会」が開催されていました。私も土日・祝祭日はボランティアとして両大会に参加させていただいておりましたので、その合間を縫っての写真撮影となりました。
今月は、両スポーツ大会を通じてわが国がますます平和になることをお祈りする意味を込めて、オリーブの実をご紹介いたします。もう一つは、九州では珍しいリンゴの実の写真です。














旧約聖書には、「ノアの洪水の際、放たれた鳩がオリーブの若葉を持ち帰ったことから洪水の終焉を知った」とあるそうで、オリーブをくわえた鳩やオリーブそのものが平和の象徴とされています。
一方、リンゴは「神が作った最初の人間であるアダムとイブがこれを食べたことから楽園を追放された」とされており、無垢な人間に知恵を授けた果実ということだそうです。因みに私は二人にリンゴを食べるようにそそのかしたヘビ年の生まれですが、楽園を追われた現実の人間としては、もっとリンゴを食べて(?)、知恵をつけなければと考えています。

さて、今回ご紹介するのは、私どもがもっともっと知恵を出して対処しなければならない、磯焼けについてのお話です。
10月9日に、磯焼け対策に取り組んでおられる長崎市の一般社団法人 マリン・アクティブさんが、海藻を食害する魚として有名なアイゴの試食会を開かれました。代表の西崎 茂一さんは長崎県漁業協同組合連合会在職中に磯焼け対策事業に取り組んで以来、退職後も藻場再生の実証試験や、磯焼け継続の大きな原因の一つとされるアイゴの利用に取り組んでこられた方です。
これまでに、練り製品原料としてのすり身化や農業用肥料としての魚粉化なども行っておられますが、漁業者が納得する価格で原魚の取引を行うには消費者に直接食べていただく商品の開発が必要と考え、アイゴフィレーの真空冷凍パック開発に取り組んで来られました。
今回は、元オークラガーデンホテル上海総料理長の荒木 初好シェフが腕を振るわれたこともあり、真空冷凍パックのアイゴを使った素晴らしい料理が提供されました。



















当日出された料理の中から、上ではマリネを使った前菜とグリルしたアイゴを使ったリゾットの写真を紹介します。この後も次から次へと12品の料理が提供され、料理の素晴らしさもさることながら、長崎県では敬遠されがちなアイゴがこんなに美味しく、様々な料理に合うものかと、その価値を認識させていただきました。
最後にご紹介させていただくのは真空冷凍パックされたアイゴフィレーの刺身です。刺身ではアイゴをそのまま味わうことが出来ました。くせの無い白身魚の味わいに適度な脂もあり、これを食用にしない手は無い、と感じ入った次第です。ただし、磯の魚ですので前処理や真空冷凍の方法には一工夫されているそうです。この技術については開発者にお問い合わせ下さい。
私ども長崎支所では、主にハードの面から皆様方が実施される磯焼け対策のお手伝いをさせていただいておりますが、藻場を回復するにはハード対策と合わせて、今回紹介させていただいたようなソフト対策を実施することが重要と考えております。また、藻場の現状調査や磯焼け対策へのアドバイスなどについても出来る限り対応して参りますので、気軽にお声掛け下さいますよう、お願いいたします。






























平成26年11月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 




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●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2014.12月版

 一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆さま、いつもありがとうございます。
今回はモロッコ国立研究所の方々への研修について紹介させていただきます。

先ずは、モロッコ王国と我が国の友好を願いまして、それぞれの国の花、バラとサクラの写真をご覧下さい。ちょっと古いですが、バラは本年6月にサクラは3月に撮影したものです。


















さて、私ども長崎支所では、昨年度に引き続き、一般社団法人 マリノフォーラム21のご依頼を受け、11月18〜20日の3日間、モロッコ王国から来られた方々に対する研修を実施させていただきました。
モロッコ王国はアフリカの北西部に位置しており、地中海と大西洋に面しています。私どもがモロッコと聞きますとタコを思い浮かべますが、イワシ漁などの沿岸漁業も盛んで、資源培養などのために近年人工魚礁の整備を始められたとのことです。しかし、効果的な整備方法や効果の把握方法については知見が不足している部分があり、人工魚礁の先進地である日本に勉強に来られたのだそうです。
長崎に来られる前にJICA横浜などで、理論についてはしっかりと研修を受けられていましたので、当支所では実習と視察に重点を置きました。
初日には魚礁の効果把握方法についての説明と水中テレビロボット(ROV)操作の実習、二日目には魚礁の種類や構造についての説明の後に五島市に移動し、実際の魚礁作成現場を視察していただきました。



















左上は一日目の操作実習終了時の写真ですが、機材の積み下ろしからセッティング、モニターを見ながらの実際のROV操作まで、一連の作業を全て体験していただきました。中でもコントローラーを使っての操作については習熟の必要性を感じられた様子で、機器を導入してもオペレーターの育成に時間が掛かることを分かっていただけたと思います。この日は、その後で長崎県総合水産試験場を視察させていただきました。総合水試の皆さまには、快く視察研修を受け入れてくださり、ありがとうございました。
右上の写真は二日目に五島市の富江港で魚礁の会場運搬や投入について説明しているところです。この前には人工海底山脈の整備に使うブロックや藻場礁の作製現場を見ていただいております。モロッコ王国でも同様な船を使っておられるとのことでしたので、システムや投入方法だけではなく、安全管理についてもしっかりと説明させていただきました。
なお、両方とも説明者は長崎支所の職員で、私はカメラマンとして撮影を担当しております。

最終日には午前中に五島市内の水産関係施設を視察させていただきました。視察ではWING五島の梅木志保ガイドさんにお世話になりました。英語がペラペラで車中では五島市の概要を説明していただきました。新しい発見がありました。ありがとうございました。
視察させていただきました「昔ながらの方法での塩作り」や「近代的な水産加工施設」では質問も盛んに出され、試食品の美味しさに感心されていたようです。

最後に五島市増田町の香珠子海水浴場で撮ったスナップ写真を紹介します。タイトルを「飛翔」としました。モロッコ王国水産業の益々の発展をお祈りいたします。































平成26年12月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 


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●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2015.1月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆さま、あけましておめでとうございます。
今回の年末・年始休暇は9日間ありました。皆様いかがお過ごしでしたでしょうか。小職は風邪のため年末はごろ寝、年明けに何とか写真撮影が可能な体調に戻りました。また、本日1月5日に、職員全員の溌剌とした顔を見て、元気を取り戻したところです。

先ずは、正月三が日に撮った写真を紹介させていただきます。漁家および皆さま方の経営・家計が、今年一年、順風満帆であることをお祈りいたしまして、お金にまつわる植物です。














センリョウとマンリョウは両方とも非常に有名ですが、万歳するように手を上げた先に実が着くのがセンリョウ、有り過ぎて下ろした手に実を持っているのがマンリョウ、と覚えています。
そして、アリドオシ。ここまで揃うと、「千両、万両、有り通し」となり、一年中お金に困らないといわれる組み合わせになります。アリドオシは「蟻をも刺し通す」ほどの、細くて強い棘を持つ低木で、赤い実が一つ生ることから、一両ともいわれます。
実はこの間に百両と十両があります。百両はカラタチバナという植物でマンリョウと同じサクラソウ科に属しています。十両はヤブコウジのことですが、今回は良い写真を撮ることが出来ませんでした。





















こうやって並べると、アリドオシには実が付いていませんし、千両や万両に比べて百両の写真の方の出来が良いので、私の金運は今一だと思いますが、この写真を撮ってきた心意気だけはお感じ下さい。

お目出度い植物の紹介をさせていただいたところで、本年の目標についてです。
長崎支所では皆さま方のお陰をもちまして、本年度も昨年度と同程度の仕事をさせていただける見込みです。また、収支に係わる業務だけではなく、様々な方がたからのお声掛けにより、会議での話題提供や座長を務める機会を多くいただきました。
弊センターの目的は、「漁港、漁場等の水産土木工事に関する技術的研究並びに施工監理技術者の養成等を行い、漁港、漁場等の整備事業の適正な実施に寄与し、もって水産業の発展に資する」ことです。支所職員の力は限られていますが、「水産業の発展に資する」ため、本年も日々研鑽して参りますので、ご理解とご協力を賜りますよう、お願いいたします。

話は変わりますが、最後に、昨年は運に恵まれなかった方に南天の写真をお送りします。南天は「難を転じる」と読むことが出来ます。昨年の「難」が転じて今年「福」が来ますよう、お祈り申し上げます。



























平成27年1月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 


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●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2015.2月版

 一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆さま、いつもありがとうございます。

 2月になりました。イカに続きブリが来遊し、ヒラメやマダイののっこみで大漁といきたいところです。また、燃油価格もやっと落ち着きを取り戻し、今年は働けば働くほど漁業者が潤う年になりますよう、お祈りをしている次第です。

 今回は、1月に撮影した写真を紹介させていただきます。

















 先ずは、ロウバイです。ロウバイは長崎市の周辺では年明け最初に花を付ける花木です。つややかな黄色で香りが良く、花言葉は「慈愛」や「優しい心」など。厳しい冬の中に、春の到来を感じさせてくれる花です。
 そして、少し遅れてウメがほころび始めます。ウメについては説明の必要が無いくらい皆さまご存知だと思います。今回のは長崎市の川原大池で初めて咲いた紅梅です。梅が咲けばもうすぐ春です。花言葉の一つに「忍耐」があります。もう少し我慢して春を待ちましょう。



















 続いてご紹介するのは、雨上がりの長崎港です。1月22日の朝、夜半の雨が上がり、雲と海霧が切れる中、五島に出張いたしました。雨上がりの海はこんなにもきれいです。雲や霧の後には青空と漁日和が待っています。因みに、長崎支所の窓からは長崎港が一望でき、お越しになったお客さまは一様にその景色をお褒めくださいます。よろしければ、是非お立ち寄り下さい。お茶を用意してお待ちしております。
 そして、こじつけですが軍艦島の写真です。嵐に耐え残って未来に発進しようとする勇姿を野母崎のスイセン越しにご覧下さい。軍艦島は世界遺産登録に向け、新しい人生を歩もうと頑張っています。

 ここまで、お読みくださいました皆さまはもうお気づきのことと思いますが、今月は冬の時代が過ぎ、春が到来することを期待して書き進めました。紹介いたしました写真に込めた気持ちは次のとおりです。

 現在、燃油価格の落ち着きに加えて、漁業者のご努力が実り資源が回復傾向にある魚も出てきているようです。しかし、海水温の上昇などによる漁場の変化や磯焼けの進行など、まだまだ油断は出来ませんし、不断の努力を続けなければなりませんが、苦しい時こそ「忍耐(ウメの花言葉)」し、恵を与えてくれる海の生物に「慈愛(ロウバイの花言葉)」の気持ちをもって望めば、雨が上がり、未来に進むことが出来る、と信じております。

 長崎支所は職員一同、水産基盤整備事業等を通じて、水産業に関係する皆さまのご発展にお力添えをさせていただきたいと考えております。何かお役に立てることがございましたら、気軽にお声掛け下さいますよう、お願いいたします。

 終わりの方が固くなってしまいましたので、話を変えて、最後に微笑ましい写真を紹介させていただきます。花や鳥の写真を撮っていましたら、お父さんと可愛いお子さんの二人連れに出会いました。お父さんが手取り足取り、釣りの仕方を教えておられたのが微笑ましくて撮影させていただきました。この親子にも大漁が訪れますように。





























 平成27年2月
 一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久



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●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2015.3月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆さま、いつもありがとうございます。

 3月になりました。昨年末から時化が多く出漁の機会が少ないとのことですが、年が明けてからはまとまった漁があっているとの報道にも接すようになりました。これから春に向け、マダイののっこみや彼岸ブリの大漁を期待したいところです。

 今回は、2月末に出張いたしました、弊センターが沖縄県に所有するサンゴ種苗生産施設について報告させていただきます。




















 梅香る長崎を飛行機で発つと、1時間半のフライトで、那覇では満開の寒緋桜が出迎えてくれました。梅については先月も紹介させていただきましたが、花言葉の一つに「忍耐」があります。この写真の梅も、寒い中、懸命に咲いていてくれました。沖縄ではサクラというと寒緋桜をさすそうです。花言葉は「艶やかな美人」や「善行」。華やかな緋紅色の美しい花なので「艶やかな美人」がピッタリですが、今回は仕事でしたので「善行」を積むようにいたしました。

 那覇市の泊港から1時間半の船旅で座間味村の阿嘉島に着きます。ここでは、中村良太上席研究員がサンゴの種苗生産技術開発を行っています。 




















 親サンゴを水槽内で飼育して卵を産ませ、プランクトン生活をする幼生を慎重に飼育し、基盤に着生させる。この後、水温や日照などの水質管理を厳密に行いながら1年間飼育して、やっと外海で生活できるサンゴの種苗ができるとのことでした。小職は若い頃に魚の種苗生産をしておりましたので、1mm程度の幼生から種苗を作ることの難しさをある程度は理解していたつもりでしたが、外部栄養を取ることが出来ないサンゴでは、環境管理に一段の難しさがあることを知りました。「難しいことだから挑戦する」「失敗しても諦めない」「目的達成のための手段を日常的に考える」、でも「海と海の生き物が相手だから、だめなときにはサッと諦めて切り替える」。こんな仕事を沖縄県の離島で行っている職員がいることをお知らせさせていただきました。 
 また、驚いたのは島に食堂が一軒しかなかったことと、野菜などの食材が非常に高かったことです。天国のように素晴らしい島ですが、物価もパラダイス価格でした。因みに、ハワイでは本土との価格差をパラダイス・タックス(本当の税金ではありません)があるからと言うそうです。阿嘉島は美しいけれど、島外の人間が日常生活を営むには工夫が必要なところでした。

 現在、私ども長崎支所は海藻が生える海域を対象に仕事をしています。しかし、近年では海藻が衰退してサンゴが増えてきている場所もあり、このせいでサザエが少なくなったとか、沿岸にいつもの魚がいなくなったなどの話も聞きます。そのため、私どもは藻場の回復や造成について考えることが多いのですが、沖縄県やもっと南方の海域では水産資源の基盤となるのは海藻ではなくてサンゴです。長崎県沿岸と南方の海域では対象とする生物は異なりますが、基盤を整えて生産性を上げ、水産資源の増殖を図るという目的は同じだと考えております。

 長崎支所では職員一同、これからも水産基盤整備事業等を通じて、水産業に関係する皆さまのご発展にお力添えをさせていただきたいと考えておりますので、気軽にお声掛け下さいますよう、お願いいたします。

 最後に、沖縄県漁連が経営する「泊いゆまち」に並んでいた魚を紹介させていただきます。サンゴ礁に棲むブダイの一種でしょうか。沖縄らしい色を見つけました。







































平成27年3月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久



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